イノウエさん好奇心blog(2018.3.1〜)

MachinoKid Research 「学習会」公式ブログ ゼロから始める「Humanitas/人文科学」研究

2017-01-01から1年間の記事一覧

『カントの政治哲学講義録』ハンナ・アレント

カトマンズにて ハンナ・アーレント(Hannah Arentdt 1906˜1975) 彼女は、西独ハノーファーに生まれたドイツ系ユダヤ人の政治哲学者です。戦時中はパリや米国へ亡命していました。 人の考えることの大切さや、想像力に近い判断力の重要性に言及した人でした…

パラドクスの空で眠る

『方丈記』(1212)の有名な一節を、改めて反芻してみると、今までと違う感覚に襲われました。そのことを今日は書いてみます。 ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。 淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためし…

サイクス=ピコ協定と総選挙

(2020/1/12 UPDATED) 一週間ほど前、勤務させていただく市内図書館に予約していたとある本が届きました。半年かけて招聘されたその本とは、『サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』(池内恵、2016)です。 2014年の夏。中東で勃興したイスラム国(IS)の誕生背…

カリアス書簡(つづき)

『美と芸術の理論』ーカリアス書簡 シラー著から引用 1793年2月19日 さっそく昨日の話の解釈をすることにしましょう。(昨日の話) 第五の行為が美しいものである理由は(略)まったく我を忘れて、自分の義務を、やすやすとあたかも本能から出たかの…

美しさを定義した人たちの話

リサーチサイトに新しい記事を更新しました。 www.machinokid.net (9/6updated) ところで本日は美学の話を掲載することにしました。 太宰治の著作として『走れメロス』という短編小説があります。これは友情という美学をテーマにしたものとして有名ですが…

Shanghai Story

上海へ行かせて頂きました。 現地では、最近、親しくさせてもらっている重慶出身の知人に会ったのですが、会話の内容も多岐にわたり良い時間でした。他愛のない話がほとんどでしたが、小籠包の話から、いつのまにか、中国政府の情報規制のことなどに話が至る…

続・社会学入門

(2020/10/20updated) 先月は、岩波新書赤版『社会学入門』の、第1章・第2章に触れさせていただきました。 今回は、しばらく個人的には難解に感じていた序章と巻末の部分に踏み込みます。 社会学ならではの、ドイツ語の耳慣れない用語も多々出てくるのです…

Zauber(ツァウベル)

(5.16 updated) 見田宗介氏の『社会学入門』(岩波新書・赤版) 現在、読み直しているのは、1章、2章、P24~P68。 たった40ページくらいの中に、さまざまな物語が網羅されています。 興味ある話があれば手に取ってみてください。 ここでは雑駁ながら語られ…

アブラハム・パウロ・イエス・危口

(4.15, updated)2016年度、自分が最もインスパイアされた記事は、「法に背く罪と、法に委ねる罪がある」といった内容の記事でした。この内容は、『やっぱりふしぎなキリスト教』に織り込まれたキリスト教の研究者、大貫隆氏の話の中で触れられたものです。 …

2017年新宿ガザ地区

2009年1月16日、イスラエルのニュース番組「チャンネル10」の放送中、コメンテーターのシュロミ・エルダーは突然、電話をとった。相手は友人であり、ガザのジャバリア難民キャンプ出身のイゼルディン・アブエライシュ医師だった。医師は、封鎖され報道機関の…

イノウエさんは具体的にはブログを書きます

1月20日のワシントンポストは、「神は壁を否定していない」と語るある牧師さんと、トランプ氏が対談したことを話題にしておりました。 "God not against building walls" ...神はそんなふうに思うんですかね。 ところで今日ぼくは、自分の目標を書こうと思い…

¥切り下げ政策だったんだ

(2017.1.11 加筆) 新年あけましておめでとうございます。仏、歴史学者エマニュエル・トッドが著書の中で、面白いこと言ってました。「自国通貨を切下げられないこと」が、EU連合の破綻の主な原因なのだと。そして、日本の金融政策を引き合いに出して評価して…