月一の学習会にて、今回取り上げさせていただいたテーマ図書は、『ピエール・ブルデュー(1930-2002)』(著 加藤晴久 藤原書店)です。 ブルデューはフランスの社会学者です。どんな方だったかと言うと、たとえば、とある命題があり、それが「寛容は美意識…
この著書は、志水速雄氏によって1994年に翻訳されました。英語版の『Human Condition』を基に翻訳されましたが、アレントの主題を的確に表したのは、もしかすると、母国語、ドイツ語版『VITA ACTIVA』だったのかもしれません。ラテン語で意味するところの『…
月一の学習会で、一冊の本を題材に意見交換をしており、今回、図書館司書の方に勧めていただいたのが、この著書でした。 著者は、内村鑑三氏の弟子です。その内村氏の文章も先日マチノキッドリサーチで取り上げさせて頂きました。今回その南原繁氏の著作、『…
(11/20 updated) 前回のブログで書いたカール・バルト本人は、かつて、スイスの都市バーゼルで教鞭を振るっていたこともあり、2018年11月3日から10日までのイノウエのパリ・バーゼル滞在期間には、現地での彼の痕跡を見つけることができました。 その日、5…
渋谷にて 今となっては、この人物の名前を知らなかったひと月前までの自分を恥じてやりたい。過去にタイムスリップして、無知な自分の頭をバリカンで丸めてやりたい。そんな思いがいたします。 カール・バルト(1886-1968) この人物は、第一次大戦後、次の…
『自由論』(1859, J・Sミル, 訳・仲正昌樹)を手に取りました。 「幸福とは効用である」とする功利論者の一人として有名なJ・Sミル(1806-1873)ですが、3歳でギリシャ語、8歳でラテン語を学び、のちに習得したと言われ、歴史上最もI.Qが高かった人物の一人…
(とある渋谷のカフェ) フランツ・カフカ(1883-1924)の幼少期の写真を下に掲載しました。 当時の写真館で撮影されたその写真は、背景の装飾がすでに形式的なものになっていたと、哲学者ヴォルター・ベンヤミン(1892-1940)は指摘します。 その指摘は、技…
曙橋 『哲学』という言葉が「Philo+sophia」から生まれたことは前回ブログで触れました。この言葉は幕末から明治初頭に生きた哲学者、西周先生(以下敬称略)の翻訳によるものだったと言われます。 西周の引用元は、西洋のウェブスター百科事典=エンサイク…
今日は誰もが持っている、『哲学』について書きたいと思います。 哲学は知恵を愛することとも言われます。というのも語源はPhilo-sophia。 古代ギリシャで4つに分類された愛(Agape, Eros, Philia, Storge)のうち、友愛を示すフィリア(Philia)と、知恵を意…
今年度も始まりました。 よろしくお願いします。 ここ10年間。 苦手であったけれど、興味深かった分野。 ひとくくりに言えば、『哲学』を学び続けてきました。 そして私は、今、怒ってます。 学んだにかかわらず、増えるのは、やっかいに思われるもの、だか…
Chi non può quel che vuol, quel che può voglia (欲することを叶えられない者は、叶えられることを欲せよ) Leonardo da Vinci 1930『Misión de la universidad』、オルテガ・イ・ガセット、『大学の使命』 スペインの哲学者オルテガ・イ・ガゼット(1883…
足音 国民の良識は、常に、最良の軍勢である ウィリアム・O・ダグラス 訳:奥平康弘 『基本的人権』1985 奥平康弘さんの翻訳を少し眺めました。 「基本的人権」ってなんだろう。 一ページ目からわかりやすかったので引用しました。 ペリクレスは言う。 行動…
カトマンズにて ハンナ・アーレント(Hannah Arentdt 1906˜1975) 彼女は、西独ハノーファーに生まれたドイツ系ユダヤ人の政治哲学者です。戦時中はパリや米国へ亡命していました。 人の考えることの大切さや、想像力に近い判断力の重要性に言及した人でした…
『方丈記』(1212)の有名な一節を、改めて反芻してみると、今までと違う感覚に襲われました。そのことを今日は書いてみます。 ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。 淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためし…
(2020/1/12 UPDATED) 一週間ほど前、勤務させていただく市内図書館に予約していたとある本が届きました。半年かけて招聘されたその本とは、『サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』(池内恵、2016)です。 2014年の夏。中東で勃興したイスラム国(IS)の誕生背…
『美と芸術の理論』ーカリアス書簡 シラー著から引用 1793年2月19日 さっそく昨日の話の解釈をすることにしましょう。(昨日の話) 第五の行為が美しいものである理由は(略)まったく我を忘れて、自分の義務を、やすやすとあたかも本能から出たかの…
リサーチサイトに新しい記事を更新しました。 www.machinokid.net (9/6updated) ところで本日は美学の話を掲載することにしました。 太宰治の著作として『走れメロス』という短編小説があります。これは友情という美学をテーマにしたものとして有名ですが…
上海へ行かせて頂きました。 現地では、最近、親しくさせてもらっている重慶出身の知人に会ったのですが、会話の内容も多岐にわたり良い時間でした。他愛のない話がほとんどでしたが、小籠包の話から、いつのまにか、中国政府の情報規制のことなどに話が至る…
(2020/10/20updated) 先月は、岩波新書赤版『社会学入門』の、第1章・第2章に触れさせていただきました。 今回は、しばらく個人的には難解に感じていた序章と巻末の部分に踏み込みます。 社会学ならではの、ドイツ語の耳慣れない用語も多々出てくるのです…
(5.16 updated) 見田宗介氏の『社会学入門』(岩波新書・赤版) 現在、読み直しているのは、1章、2章、P24~P68。 たった40ページくらいの中に、さまざまな物語が網羅されています。 興味ある話があれば手に取ってみてください。 ここでは雑駁ながら語られ…
(4.15, updated)2016年度、自分が最もインスパイアされた記事は、「法に背く罪と、法に委ねる罪がある」といった内容の記事でした。この内容は、『やっぱりふしぎなキリスト教』に織り込まれたキリスト教の研究者、大貫隆氏の話の中で触れられたものです。 …
2009年1月16日、イスラエルのニュース番組「チャンネル10」の放送中、コメンテーターのシュロミ・エルダーは突然、電話をとった。相手は友人であり、ガザのジャバリア難民キャンプ出身のイゼルディン・アブエライシュ医師だった。医師は、封鎖され報道機関の…
1月20日のワシントンポストは、「神は壁を否定していない」と語るある牧師さんと、トランプ氏が対談したことを話題にしておりました。 "God not against building walls" ...神はそんなふうに思うんですかね。 ところで今日ぼくは、自分の目標を書こうと思い…
(2017.1.11 加筆) 新年あけましておめでとうございます。仏、歴史学者エマニュエル・トッドが著書の中で、面白いこと言ってました。「自国通貨を切下げられないこと」が、EU連合の破綻の主な原因なのだと。そして、日本の金融政策を引き合いに出して評価して…
12月4日、日本時間22時。 オーストリアでは大統領選挙、イタリアでは憲法の改正の是非を問う国民選挙が間もなく始まる。 どちらも、自国のEU離脱を促す排外主義的な政権樹立の可能性が秘められているのだが、Brexitやトランプ氏の勝利など、昨今取りざたされ…
写真:Chim↑pom 『明日もまた見てくれるかな』の会場にて先日、図書館員の方からある本を貸してもらったのですが、今回はその受け売りです!『シャルリとは誰か?』(エマニュエル・トッド、2016)この本は、2015年1月7日のシャルリ・エブドの事件の後、フラ…
(2017,1,17updated)NHKの100分de名著で、名著57の回は『永遠平和のために』でした。著書はイマヌエル・カントさんです。名著57 永遠平和のために:100分 de 名著【指南役】萱野稔人(津田塾大学教授)聞き役に徹する伊集院光さんが、いつも敷居の低い目線…
三鷹の病院で静養していた祖母が亡くなりました。小沼博子、享年92でした。 シャンソンや琴に親しんだ祖母だったので、病床では、生前歌っていた『愛の讃歌』などを、静かに流すなどしてエールを送りました。葬儀は教会式でした。 調布に引越しをしてきた10…
(2019.2.5updated) 勤め先となる図書館で、あるきっかけからポスト構造主義の話になりました。 先駆者、ジル・ドゥルーズ氏の名前を出すと、スタバのコーヒーのサイズの読み方くらい、覚えにくいと言われました。笑 その流れもあり、別の日、また他の図書館…
学術系スナップショットブログ始めて、一年経過したところです。現在、卒業して2年が経つので、受け入れてもらえるかはわからないのですけど、卒論を書き直しています。 ******** 追記:論文"リゾームのカント"を、立教大学、現代心理学部、当時お世話になっ…